ラズパイ4をSSDから起動する簡単な方法
Raspberry Pi 4を
SSDから起動する簡単な方法
Raspberry Pi 4は3と比べて性能が大きく向上しました。しかしながら、MicroSDの速度が遅いため、OSやアプリケーションの起動には時間がかかります。
外付けのSSD、あるいはHDDから起動させることにより、OSの起動はもちろんアプリケーションもサクサク動作するようになります。
ファームウェアの関係で、2020年4月時点では完全なSSDブートはできないので、OS起動時にはMicroSDカードが必要になります。
準備
ラズパイ4をSSDから起動するための準備です。
- Raspberry Pi 4が動作する状態であること。
ここではOSのインストールには触れません。また、OSはRaspbianを想定しています。 - USB3.0対応の外付けSSD、あるいはHDDを接続していること。
Raspberry Pi 4のUSB3.0端子に接続します。Raspberry Pi 4のUSB端子の電源は弱いため、
HDDを接続する場合は電源付きのもの、あるいは電源付きのUSBハブを利用してください。
OSのコピー
「アクセサリ」にある「SD Card Copier」を起動します。

Copy From Device(コピー元)とCopy To Device(コピー先)を選択し、「New Partition UUIDs」にチェックを入れて「Start」をクリックします。
必ず「New Partition UUIDs」にチェックを入れてください。

確認メッセージが表示されますので、「Yes」をクリックします。
コピーが開始されます。終了までしばらく時間がかかりますので何もせずに待ちます。

「Copy complete.」が表示されれば終了です。「OK」をクリック後、SD Card Copierを終了します。

起動情報の変更
メニューバーにあるアイコンをクリックし、LXTerminalを起動します。

ターミナルのウィンドウが表示されますので、以下のコマンドを入力します。
sudo blkid
画面に現在利用できるブロックデバイスの情報が表示されます。この中で重要なのは、「PARTUUID=」の部分です。このウィンドウを開いたまま、次の作業へ進みます。

テキストエディタで、cmdline.txtファイルを編集します。
先ほどと同様に、メニューバーにあるアイコンをクリックし、LXTerminalを起動します。
ブロックデバイスの情報を表示しているウィンドウとは別に追加でウィンドウが開きます。
以下のコマンドを入力して、cmdline.txtファイルを編集します。
sudo mousepad /boot/cmdline.txt

Windowsのメモ帳のような画面が開きますので、赤色のアンダーラインの部分を水色のアンダーラインの値へ変更します。
この例では、「97709164-02」を「f8e9a0de-02」へ変更することになります。

変更後は以下のようになります。誤りがないことを確認後、ファイルを上書き保存して終了します。
これで設定は終わりです。Raspberry Pi 4を再起動します。
設定に問題がなければ、再起動時は外付けのSSD、あるいはHDDから起動しているはずです。

再起動後の確認
再起動の時間は短縮されたでしょうか?ブラウザやLibreOfficeなどを速くなっていると思います。
デスクトップに、「boot」と「rootfs」のアイコンがあると思います。これは、MicroSDカードの中身なので削除したりしないようにしてください。

メニューバーにあるアイコンをクリックし、LXTerminalを起動します。
以下のコマンドを入力して、ディスクの情報を確認します。
df
赤色のアンダーライン部分を見ると、「/」のサイズが約120GBとなっていることから、外付けのSSDであることが分かります。
元のMicroSDは、水色の部分です。それぞれ「/media/pi」以下にマウントされていることが分かります。この部分がデスクトップに表示されています。

ベンチマーク
最後に簡単なベンチマークとして、MicroSDとSSDに1GBのファイルを作成して処理時間、処理速度を確認します。
メニューバーにあるアイコンをクリックし、LXTerminalを起動します。最初は、MicroSDに1GBのファイルを作成してみます。以下のコマンドを入力してください。
dd if=/dev/zero of=/media/pi/rootfs/home/pi/Desktop/sdtest.dat ibs=1M obs=1M count=1024 status=progress
この例だと、102秒を要しました。速度は、10.5MB/秒となりました。MicroSDだとしても少し遅いですね。安価なMicroSDカードなのか、相性なのかは分かりませんが通常は15~20MB/秒くらいは出ると思います。

次に、外付けのSSDで試します。以下のコマンドを入力してください。
dd if=/dev/zero of=/home/pi/Desktop/sdtest.dat ibs=1M obs=1M count=1024 status=progress
10秒以下で終了しました。赤色のアンダーライン部分がMicroSD、水色のアンダーライン部分が外付けSSDです。この値もSSDとしては低いかもしれません。
それでも10倍以上の速度が出ています。十分ではないでしょうか。

ベンチマークで作成したファイルを削除します。ファイルマネージャーを起動して、それぞれのファイルを削除します。
MicroSDに作成したファイルは、「/media/pi/rootfs/home/pi/Desktop」にあります。ファイル名は「sdtest.dat」です。

外付けSSDに作成したファイルは、「/home/pi/Desktop」にあります。ファイル名は「sdtest.dat」です。ファイルマネージャーを起動しなくてもデスクトップに見えていますので、普通に削除してください。

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